デュラテクト
美しさをキズつけない
腕時計は、さまざまな動きをする「腕」に着ける精密機械。つまり、それだけキズがつきやすい宿命にあります。美しい時計を美しいまま、できるかぎり長く使ってほしい。その思いから生まれたのが、デュラテクト(表面硬化技術)です。シチズン独自の技術が、腕時計の美しさを守り続けます。
あなたを
自由に。
日常生活で腕時計にキズがつくシーンはいろいろ。でも、腕を動かさずに生活することは難しいです。デュラテクトは、歩く時も、仕事をする時も、自転車に乗る時も、海に潜る時も、あらゆるシーンで腕時計を守り、あなたを自由にしてくれます。
美しさ
いろいろ。
腕時計は精密機械であると同時にアクセサリーでもあります。デュラテクトは、その技術を進化させることで、ゴールドからシルバー、ブラック、ピンク、サクラ色まで、さまざまな美しい色調を実現。腕時計を目で味わう時間をお届けします。
キレイが
つづく。
デュラテクトピンクとデュラテクトサクラピンクのコーティングをした箇所は、SIAA(抗菌製品技術協議会)の抗菌性能基準をクリア。抗菌加工されていない製品の表面と比較して、細菌の増殖割合は1/100以下。耐久性試験後の抗菌効果も実証されているので安心です。
About Duratect
デュラテクトには
こんな技術が詰まっています。
腕時計をいつまでも美しく。
デュラテクト(表面硬化技術)とは、腕時計のケースやバンドの素材表面に特殊な加工処理を施し、腕時計本来の美しさを守るシチズン独自の技術です。シチズンは、このデュラテクトで数多くの特許を取得。大切な腕時計を長く使ってほしいという技術者の情熱と長年にわたる研究から生まれたこの技術により、キズに強く、いつまでも美しく、肌にやさしい腕時計をつくり続けています。
チタニウムにも
ステンレスにも。
デュラテクトは、素材の表面を加工する技術。だから、チタニウムやステンレスなどさまざまな金属に適用できます*。チタニウムにデュラテクトを施したものが、スーパーチタニウム™ です。
*一部のデュラテクトを除く。
デュラテクトの
3つの方式。
デュラテクトには、「素材をコーティングする方式」「素材自体の表面を硬くする方式」「その両方を複合的に施す方式」の大きく3つがあります。ハードな場面で使用するアウトドアウオッチと、美しく輝くドレスウオッチでは求められているものが異なるように、腕時計の目的に合わせたデュラテクトを施すことで、 必要な硬度や表現したい色調などを生み出すことができます。シチズンのデュラテクトでは、硬度 1000HV 以上という基準を設け、耐傷性が保証されたものだけを商品化しています。
01
すりキズに強い 表面をコーティングする方式
表面をコーティングする方式により、特にすりキズに強い腕時計をつくることができます。この方式では、PVD技術とCVD技術の2つを採用しています。
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PVD(Physical Vapor Deposition)技術
物理蒸着法と呼ばれている成膜方式です。高い真空条件で製品に硬質の薄膜を物理的に施す技術で、イオンプレーティング(IP)やスパッタリングといった方法があります。多彩なカラーバリエーションが展開可能。高級時計やチタニウム、ステンレスの時計など幅広いモデルに採用されています。またデュラテクト以外の製品も含めためっきでも使用されています。
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CVD(Chemical Vapor Deposition)技術
デュラテクトDLCには、CVD(化学気相成長)と呼ばれる成膜方式を活用します。真空装置の中でガスをプラズマ化し、化学反応させたのちに製品の表面にコーティングする技術です。シチズンのDLCは高硬度なうえに触り心地が滑らかで、高級感のある独特なブラック色が特長です。
デュラテクトの種類
デュラテクトチタンカーバイト
シチズンの表面硬化技術(デュラテクト)の中でもっとも早く商品化された歴史ある技術。チタニウム特有のメタルの精悍さを持つシルバー色が特長で、肌にやさしい耐メタルアレルギー性に優れています。主にATTESAやPROMATERなどのメンズウオッチで採用されています。
デュラテクトプラチナ
デュラテクトチタンカーバイトにプラチナを使用したコーティング技術です。プラチナを配合することで明るく透き通るような色調となり、間接照明や暗がりの場所でもひときわ美しく腕時計を輝かせます。主に高級時計やレディスウオッチに採用されています。
デュラテクトゴールド
ゴールド色は腕時計のカラーとして主流である一方、華美すぎる印象を与えてしまうこともある難しい色です。デュラテクトゴールドは、貴金属の配合を研究することで、淡い金色でありながら、リッチな印象を与える絶妙なカラーを実現。さまざまなシーンに調和する上品な色合いが特長で、主に高級時計やレディスウオッチに採用されています。
デュラテクトピンク
一般的に流通しているピンクゴールド色は非常にキズがつきやすく、時計を愛用されている方にとって悩みの種になることもあります。デュラテクトピンクは、ピンクゴールド色の魅力はそのままに、キズのつきやすさを⼤幅に抑制することに成功したシチズン独自の仕様。⻑年お使いいただくことでその良さを実感することができます。また、レディスウオッチはもちろん、メンズウオッチのワンポイントとして使用することで、特別感のあるエレガントな雰囲気に仕上がります。
デュラテクトα
シチズンの最高峰技術のひとつで、もっとも硬度の高いデュラテクトです。デュラテクトチタンカーバイトの約2倍以上(2,000~2,500HV)というサファイアガラスと同等の硬度を実現。貴金属のような美しい輝きを持 ちながら、耐メタルアレルギー性にも優れています。主にThe CITIZENなどの高級時計に採用されています。
デュラテクトDLC
DLCとはDiamond-Like Carbonの略で、一般的に工業用途で使用される高い耐傷性とブラック色が特長です。シチズンはこの技術をいち早く腕時計へ採用し、1987年にはバーゼルへの参考出展も果たしています。デュラテクトDLCは、その特長である高い耐傷性とブラック色を生かしながら、腕時計の細部に至るまで美しくコーティングすることができるため、装飾品にも使用できる高いクオリティーを実現しています。またコーティングの材料にもこだわり、耐メタルアレルギーに配慮した材料のみを使用しています。ATTESAではこのデュラテクトDLCを採用したモデルを「ブラックチタン™シリーズ」として展開。オンオフを問わずさまざまなシーンになじむ色合いが人気です。
02
打ちキズに強い 素材自体を硬くする方式
チタニウムの素材自体を硬化させる方式です。コーティングではなく素材表面そのものを硬く堅牢にすることで、すりキズはもちろん、特に打ちキズに強い腕時計をつくることができます。
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ガス硬化技術
真空装置にガスを封入し、チタニウム製の時計部品に対して熱処理を施すことで、素材の表面を結晶化させ硬化層を形成させる技術です。
デュラテクトの種類
デュラテクトMRK
デュラテクトMRKはコーティング方式のデュラテクトに比べ、硬化層が約10倍以上の厚みがあります。硬度は同じでも硬化層の厚みがある分、ハードな使用環境下でも打ちキズがつきにくいのが特長です。またチタニウム素材そのものを硬化しているため、耐メタルアレルギー性にも優れています。スポーツウオッチなどで多く採用されています。
デュラテクトMRKゴールド
デュラテクトMRKの技術を応用し、ゴールド色でありながら貴金属を使用せず、打ちキズにも強い耐メタルアレルギー性を実現。落ち着いたアッシュゴールド色が上品な輝きを放ちます。
03
すりキズにも打ちキズにも強い 両方を複合的に施す方式
素材表面をコーティングする技術と素材自体を硬くする技術の両方を施すことにより、すりキズと打ちキズに対し、より強い腕時計をつくることができます。
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複合硬化技術
コーティング技術のデュラテクトDLCとガス硬化技術のデュラテクトMRKを組み合わせた技術です。硬化層と硬質被膜を重ねることで、すりキズにも打ちキズにも強い耐傷性を発揮するだけでなく、耐メタルアレルギー性などさまざまなメリットを生み出します。
デュラテクトの種類
デュラテクトMRK+DLC
素材自体の表面を硬質化させるデュラテクトMRKを施した上から、硬質被膜のデュラテクトDLCをコーティングする技術です。二重に硬化処理をすることにより、すりキズ・打ちキズともにデュラテクトの中でも一番高い堅牢性を実現。肌にやさしい耐メタルアレルギー性にも優れているほか、ハードな環境下での使用にも向いており、スポーツウオッチなどで多く採用されています。
表面硬度を
比較してみました。
図は、ビッカース硬度と呼ばれる素材表面の硬さを表す尺度で、代表的な素材や各デュラテクトを比較したものです。こうしてみると、デュラテクトが一般の多くの腕時計で使用されているステンレスをはるかに超える硬さであることがわかります。
※ ビッカース硬度は、素材表面の硬度を測るもので、素材にダイヤモンド製の圧子を押し込むことで測定されます。この試験方法は、極めて硬い材料も測定でき、また試験用途も大変幅広く、他の硬さ試験の基準にも利用されています。表面被膜硬度については、低荷重で被膜硬度のみを測定したものです。日常使用によるキズのつきにくさをそのまま表現する尺度ではありません。
すりキズを
比較してみました。
写真は、当社キズ試験機により、腕時計のバンドにすりキズをつけたものです。チタニウムと比較すると、どのデュラテクトもすりキズがつきにくいことがわかります。
※試験は、あくまでもすりキズをつけることを目的に実施したものです。
※ 現在は生産されていないモデル、日本未発売モデルも掲載されています。